五角堂 延命地蔵大菩薩像
門を通ってすぐ左の拝殿に向かう石段を上ると左手に屋根が黄金色に輝く「五角堂」があります。一般には六角堂が多い中で五角形は非常に珍しい建造物のようです。五角堂の中には「延命地蔵大菩薩像」が安置されております。足利二代将軍義詮が三代目義満のために飯綱山に献納したといわれる本地仏の地蔵菩薩です。この大菩薩像は善光寺の秘仏と同様、紫黄金(しこんきん)で出来ており、こちらも秘仏となっており通常はご参拝いただけません。七年に一度の御開帳時に拝むことができます。
拝殿と本殿
五角堂の屋根まで上ると拝殿が目の前に現れます。拝殿で拝むとその奥に本殿が見えます。御本尊は本殿の扉の奥に座しています。拝殿と本殿は繋がっておらず、その形は神殿のようにもみえます。修験道別格寺公明院は「神仏習合」の寺院ですので神社のお参りのように柏手を打ってもかまいません。本殿の御本尊は秘仏のため通常は拝見できません。七年に一度の御開帳時に拝むことができます。本殿の奥には幻想的な戸隠山が座しており戸隠山を御本尊と捉えてお祈りいただいてもご利益は得られるでしょう。
三尊堂(護摩堂)
拝殿の左には「三尊堂」があります。護摩経を行う護摩堂となっています。三尊は、中央に修験道の本尊で大日如来の使者で人間界に災いが炎となって襲うのを防ぐ不動明王、向かって右座が役の行者、左座に開祖公明師の木座像です。
姫野公明師が眠る墳墓
三尊堂の奥には公明師が眠る墳墓があります。墳墓の背後は戸隠山表山を正面にとらえ、冬であれば鳥が羽を広げたように左右対象の山容が見られます。墳墓の正面に怪無山と飯綱山があり、公明院から春分と秋分の彼岸の時期の日の出を飯綱山の山頂と怪無山の山頂を結ぶ直線上に拝することができます。墳墓の向きは怪無山の冬至の日の出を真正面にとらえます。冬至の日の出は「天の岩屋戸神話」において日神として再生した天照大神の具象といえることから、公明師は生前も死して後の今も天照大神を奉祭、信仰心の深さを如実に示しています。
世界の英霊を祀る「萬国之英霊宝筐印塔」
第二次世界大戦で非業の最期をとげた世界の若者らの御霊を鎮め、世界の平和のための守護神となるようにと公明師の強い願いにより昭和25年に建立されました。久邇宮殿下を総裁に開眼式を行いました。正面に仏教、左面に神道の鳥居、右面にキリスト教の十字が掘られ、宗派にとらわれることなく祀っています。
飯綱修験道の守り神「天狗の像」と「魚籃観音像」
飯綱山修験道の守り神・飯綱神像である天狗の像五体が安置されています。飯綱山を聖なる山として崇め、特別な強い思いを持たれていた公明師の気持ちが現れています。その右手前には体をくねらせた観音様「魚藍観音」があります。三十三観音のひとつで魚が入った籠を持った珍しい観音像で、悪鬼などの害を除くといわれています。
六十六州一の宮の石祠
公明院は平安時代の勇猛熱烈な修行者「釈長明」が薪の中に身を投じ大往生をとげた「火定の地」でもあります。そこには六十余州の石祠が整然として並んでいます。これは1810年、柵村の大昌寺9世の瑞応住職が菩提を弔うためや国家安穏などのため法華経を66部書写し、日本六十六国の一の宮の神を勧請し小さい石祠に祀ったものです。公明師が荒廃したその石祠を今のように綺麗に整えました。真ん中に根を張るイチイの木が石祠を守るように枝を八方に張っています。
公明院とともにぜひお巡りいただきたい、鏡池にほど近いパワースポット戸隠天命稲荷神社
長野市若穂の不幸が続くお宅で祈祷中、公明師は戸隠に人塚があることを知ります。その場所を道なき山野の中で発見、読経するうちに「我らを天命稲荷として斎祀せよ」とのお告げを受けます。その時現れたお姿そっくりに石像に象って天命稲荷大明神として戸隠の霊地に奉斎しました。天命稲荷大明神の本地は伊勢の外宮の豊受大神です。祈れば祈るほど諸病を除き、福徳を得せしめ、敬愛を満たしめ、一切の諸願を成就円満せしめるといわれています。
険しくも清しい戸隠山の麓、四季折々の自然を公明院と共にお楽しみください。
鏡池から望む霊峰戸隠山
アクセス
宗教法人修験道別格寺 戸隠山公明院
〒381-4101 長野県長野市戸隠3614
Tel.026-254-2036
受付時間:9:00 〜 17:00
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